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「よし、じゃあ…一番手っ取り早いイメチェン、髪色を少し明るめにっ」
「─…それは、ダメ。髪の毛を颯斗以外の人に触られたくない」
一番分かりやすいイメチェンの為に髪を染めろと言い出した美雪。しかし、髪の毛のことは全て颯斗に任せているのでそれを他の人の手によって変えられてしまうのは私自身嫌だった。
「…なら、シャンプーとかヘアオイルを変えてみるとか?香水は仕事柄つけられないでしょ?いつもと違う香りにドキッと、」
「そういうのは颯斗が選んだやつじゃないと…市販のシャンプーを使ってる女とか無理、って前に言ってたのを聞いた事あるし」
「……美容師の彼氏って面倒だね」
うーん……
面倒だと思ったことは一度もないけどな。
「髪の毛に関すること以外で、何かない?」
「……あ、服装!スカートとかワンピースとか、そういうの菜々があんまり着てるところ見たことないかも!基本デニムコーデだもんね、菜々」
「あぁ…それは颯斗が高校の卒業式の日に、、」
高校の卒業式の日─…
式が終わって友人たちとの別れを惜しみつつ、颯斗と共に帰宅していた帰り道で…
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