アイラブユーを聞かせて

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「……は?なにその話し!初耳なんだけど!」 「人に言うようなことでも無いかと思って、」 「うわぁ…そうだ、そうだよ!そういえば吉岡ってそういう奴だった!思い出したよ、あの異常なまでの束縛の日々!」 美雪はとんでもないことを思い出した、というような顔をして…哀れむような目を向けてくる。 「階段…絶対に菜々の後ろに立つようにして、スカートの中が下から覗かれたりしないようにしてたし。菜々が座ってる時は自分の学ランとかカーディガンを膝に掛けたり!」 「……そうだった?」 「そうだよ!それに、極めつけは水泳の授業!菜々は肌が弱いから塩素に負けて皮膚が荒れる、とか言って三年間水泳の授業受けさせなかったよね?!」 「あ…そんなこともあったね。」 「”両親の次に菜々のことを知ってるのは俺だ”っとか言って。授業を受けてアレルギー症状が出たりして倒れたらどう責任取るんだ、って…体育の先生を脅した事件は伝説だよ」 そんなアレルギーがあると診断されたことは一度も無いが、肌が弱めなのは事実ではある。とはいえ水泳を休むほどのものでは無いのだが… 当時、学校の中でも目立ったグループに属し若干オラついていた颯斗がそんな大それた行動に出たせいで、、 何かあっても責任が取れない、っと学校側に言われてしまう事態に陥り…水泳の授業の時は体育館でマラソンをさせられた過去がある。
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