アイラブユーを聞かせて

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「あの悪魔め…まさか卒業式の日にスカートを禁止する、なんて。しょーもない呪いをかけていたとは」 「呪いって、そんな大袈裟なっ」 「ここは思い切って…スカートを履いて吉岡がどんな反応をするのか見てみよう」 名案だ、と言わんばかりに…この後買い物に行こうと言い出してカフェを出る準備を始める美雪。 でもなぁ─… 「颯斗、嫌だって言ってたし……」 「…それ、高校卒業の時の話でしょ?もう十年近く経つじゃん!時効だよ、時効」 「でも、それで嫌われたりしたらっ、」 「うん…だから、吉岡がどういう反応をするのか見るために行動するんでしょ?スカートを履いた菜々を見て怒ったりするのか、無関心なのか。知りたいって思わない?」 確かに…それはちょっと気になるかも。 「マンネリ化を防ぐ為に、蕎麦からパスタになるんでしょ?よし、買い物行くよ菜々!!」 私以上に戦闘モードの美雪に連れられ…結局、店員さんに勧められた可愛らしい色合いのワンピースを購入してしまった私。 これで本当に、颯斗の本心を探ることなんて出来るのかな……?
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