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「……さっき、何か言ってた?ごめん、テレビ見てたから気付かなくて」
「あぁ、別に…また後で話す」
疲れた、っと言って私に背を向けてリビングへと戻っていく颯斗はやはり、どことなく不機嫌。もしかしたら何度か私に声を掛けてくれたのかもしれない。
美雪に言われた”浮気疑惑”がどうしても頭から離れなくて、一人になるとつい考え込んでしまう。
これじゃあイメチェンなんて披露する前に、颯斗とのすれ違いが生じて更なる関係性悪化に繋がりかねない。
─…何とか、名誉挽回しなくては
「お腹空いてるよね?夕飯、今日はチキン南蛮にしたんだけど…これが結構いい感じに出来て、」
「─…菜々。悪いけど俺、今から出掛ける」
耳を疑うようなその発言に、思わず手を止めて颯斗の顔をジッと見据えてしまう。
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