アイラブユーを聞かせて

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起こさないようにゆっくりとベッドから抜け出す。その際に颯斗の指に絡んでいた髪がスーッと指先をすり抜けてしまったことにより、一瞬颯斗の表情が曇った。 手の中から消えた髪の感覚を探るように、その場で手を動かしてから…こちらに背を向けて寝返りを打ってしまった颯斗。 (……可愛いっ、、) 胸熱なその行動を目の当たりにしてしまい、後ろから抱きついてしまいたくなる衝動を必死で堪える。 「おはよ、颯斗…」 っと、小さく声をかけてから…後ろ髪を引かれるような思いで寝室を出てリビングへ向かった。 颯斗の好きなハムエッグを作り、昨日美雪と買い物に行った帰りに立ち寄ったパン屋さんで購入したクロワッサンを用意して朝食の準備を済ませる。 休みの日、颯斗は基本ゆっくり起きてくるタイプなので…先に一人で朝食をいただき、仕事へ向かうために準備を始める。 「……私、蕎麦からパスタになれるのかな?」 今日、例のワンピースを着ていくつもりは無かったが…昨夜の颯斗とのやり取りを思い出すと、スカートを履いた私を見た時の彼の様子が知りたくなった。
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