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顔を上げて目を合わせてみれば…眠たそうにしていた颯斗はすっかり覚醒したみたいで。
形のいいアーモンド型の二重まぶたの瞳は、しっかりと私の姿を捉えている。
遅刻ギリギリで慌てていたので一瞬…颯斗に言われた言葉の意味が分からなくてハテナマークが頭に浮かんだが…
すぐに、自分が蕎麦からパスタになろうと試みたことを思い出し…何だか恥ずかしくなってきて思わず颯斗から視線を逸らしてしまった。
「……菜々、今日休みだった?」
未だ低い声で続く尋問のような問いかけに、怯えつつも…無視するわけにもいかず大人しく答える。
「ううん、これから仕事だよ…だから手を離してもらわないとっ…そろそろ遅刻する」
「……仕事に行くような格好に、見えない」
「あ……うん、ちょっと気分転換にっ」
「そんな洋服、持ってた?初めて見たけど」
「昨日、美雪と買い物に行った時に…買った」
っと、そこまで答えた時…私の腕を掴んでいる颯斗の手の力が強まったような気がした。
「─…言ったよな?スカートは卒業だ、って。」
覚えていたの…?っと尋ねる余裕もなく、腕を掴まれたまま寝室に連れ込まれ…ベッドの上に身体を押し倒された。
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