アイラブユーを聞かせて

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「菜々って気が強くてしっかり者のくせに、吉岡のことになると急に乙女になるよね」 「別に、普通だと思うけど。」 「別れちゃえば?そんな面倒な腐れ縁の幼なじみなんて捨ててさ…菜々も新しい彼氏作ればいいんだよ。マジで”可愛い”の無駄使い」 ──可愛いの無駄使い これは学生の頃から美雪に言われ続けた言葉。 「吉岡がずっとそばに居るせいで近寄る男が居なかっただけ。菜々は私が出会った女友達の中でブッチギリの殿堂入りレベルの可愛さ。それを手放さずに自分の元に置き続けてる吉岡が私は憎くて仕方がないよ」 美雪が颯斗を嫌うのには理由がある。成人してから仕事終わりに友達と飲みに行ったり…なんてことを私はしたことが無い。というのも、 『夜、出歩く女とか無理なんだけど。』 という颯斗の言葉があったからだ。だから仕事が終われば真っ直ぐ家に帰ったし寄り道をしても近所のスーパーに買い物に行く程度。 「束縛だけが健在って、有り得ないんだけど」 昔から私と夜遊びをしたいと言い続けている美雪は颯斗のことを”束縛が激しい独占欲の塊”と認定してしまったらしくとても毛嫌いしている。
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