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「…あ、これ返すね」
手の中でただただ握りしめていた颯斗のスマホを返却する。中を見る勇気は無かったが…自由に見てもいいよ、と言われたことでほんの少し気が楽になった気がする。
「……ってことで、後で菜々のSNSのアカウント消すから。」
そう言い残して車を降りてしまった颯斗。
朝のように助手席のドアを開けてくれることを期待したが、既に一人で先に店の中へ入ろうとしている颯斗が視界に入ったので慌ててその後を追いかけた。
お店に入ると、4人がけのテーブル席に案内され颯斗と向かい合うようにして座った。
「今日もいつもと一緒…?」
「……で、よくね?」
「うーん、明太子…追加しよう!!」
いつも注文するのは、豚玉のお好み焼きとお餅の入ったチーズコーンのもんじゃ焼き。
今日は仕事で八雲先生のことで少しモヤッとしたので…辛いものを食べてスカッとしたかった。
「ん、りょーかい」
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