アイラブユーを聞かせて

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「……ん?どしたの、菜々ちゃん」 私の視線に気がついたのか、目を合わせた鷺坂さんはわざとらしく首を傾げる。 「よ、夜のレッスンって……なに、」 「なにって、ひとつしか無くない?一緒にホテル行って〜…楽しくて気持ちいいことっ、」 「鷺坂、菜々に余計なこと言うな。菜々も…聞かなくていいから」 っと、なぜか私まで颯斗に怒られてしまった。 やはり…鷺坂さんとは仲良くなれそうにない。お店のスタッフの女の子に手を出すなんて…知りたくなかった事実だ。 颯斗と二人でお好み焼きを焼いて楽しい夕食の時間を過ごすはずだったのに…思わぬ邪魔が入ってしまった。 主導権を完全に鷺坂さんに奪われてしまい、彼が焼くお好み焼きともんじゃ焼きが完成するのを待つ時間は…とても退屈だった。
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