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前から伸びてきた鷺坂さんの手が私の手首をギュッと掴んだ。
「な、何するんですか?!」
「いや…菜々ちゃんが颯斗のことを信じきってるのが面白くなくて。」
ヘラりと笑って私の手首を離した彼。それでも警戒をとくことは出来ず…つい睨みつけてしまう。
「はっきり”遊んでる”って言う俺の方が、ある意味良い奴だって思わない?」
「……思わないです。なんの話しですか」
「俺だけとは限らない、って話し。颯斗が今誰と電話してるのか気にならない?店の後輩だったりして?」
その瞬間、以前見てしまった”香菜”の二文字が頭の中を過ぎった。
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