アイラブユーを聞かせて

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せっかくの外食が…何だか後味の悪いものとなってしまった。 鷺坂さんが変なことを颯斗に聴き始めたあの時点で止めるべきだった。その先を知りたいと思った私も彼と同罪であるような気がした。 ……それでも気がかりなのは、、 仕事の話しをしてる時は普通だったのに…店のスタッフとの関係性を尋ねられた辺りから颯斗の機嫌が悪くなったのが明白だったことだ。 「……菜々、ごめん」 車に乗り込むなり、突然謝罪の言葉を口にした颯斗。何の謝罪かと少し身構えたが、 「やっぱりアイツ、先に帰らせるべきだった」 気まずい別れ方をしたことを悔やんでいる様子の颯斗を見て、これ以上気持ちが落ちることの無いように明るく振舞おうと思った。
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