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しばらくその殺風景なページのアカウントを眺めていた颯斗は、小さくため息をついてからスマホを私の手に握らせた。
「……もう、変な詐欺に引っかかるなよ」
「…え?消さなくていいの?」
「まぁ…俺は菜々のこと、信用してるから」
その言葉に、一瞬ドキッとした。
颯斗を疑うような発言を、ここ最近何度か口に出してしまっている手前…”私も”っとすぐに賛同することが出来ないことに胸を痛める。
「……で?順番、次だけど。いつもと同じ?」
「え…っあ、うん!いちごバナナ、」
最後まで言う前に順番が来てしまったが、颯斗はお店の人にちゃんと”カスタード”の部分まで伝えてくれている。
こんな風に、お互いの好きな物を知り尽くしているのに…肝心なことを聞くのは躊躇ってしまう。
いつから私たちは、お互いの顔色を伺うようになってしまったのだろう。
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