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曖昧にしたままだと、颯斗のことを疑い続けてしまう気がして…やっと口に出して聞くことが出来た”誰”という言葉。
その言葉の裏に”香菜”という名前が隠されていることに、颯斗は気付いて居るだろうか?
「誰…って、、鷺坂とか修司とかその辺。」
ほんの僅かだが、颯斗の目が一瞬泳いだことを見逃さなかった。
「修司さんはともかく…あの鷺坂さんが遠征してまでそういうセミナーを受けに行くって、ちょっと信じられない」
とても失礼なことを言っている自覚はあるが、申し訳ないがこれは正直な気持ちだ。仕事に対してプライドがあると言った彼のことは、本当に素晴らしいと思ったが、、
わざわざ費用をかけて遠征してまでセミナーを受けに行くような人だとはやはり思えない。
そうなってくると…鷺坂さんと一緒にセミナーに行くと言い出した颯斗に対して、また不信感が生まれてしまう。
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