アイラブユーを聞かせて

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******* 『……え?それで?』 「それで…って、それだけ。朝だったし、遅刻寸前だったから結局何も聞けてないまま今に至る」 その日の昼休み、美雪に連絡してみると彼女はちょうど午後からお休みだったみたいで…昼休みのあいだ電話を繋げて話しを聞いてもらっていたのだが、、 『うん…吉岡が黒かどうかは置いといて。菜々、アンタもかなり面倒な女になりつつあるよ』 っと、薄々自分でも感じていたことをハッキリ美雪に言われてしまい…少し落ち込んだ。 『もうハッキリ聞いた方が早くない?”香菜って誰?ホテルの予約って何?”ってさぁ…』 「……それで新しい彼女とか言われて振られたりしたら、もう立ち直れない」 『はぁ…本当に。昔から菜々は吉岡のことになると臆病で面倒なメンヘラ女子になるよね』 「颯斗と別れるくらいなら浮気された方がマシ」 『コラ、そんな悲しいこと言わない。とりあえず香菜が何者なのか調べよう。思ったんだけど、吉岡が働いてる美容院のホームページ…スタッフ紹介の欄に名前とか載ってるんじゃない?』 美容室の予約専用サイト、みたいなものが確かに存在して…指名予約の選択を出来たりするのでスタッフの顔写真と名前が記載されているサイトがあるのは私も知っている。 颯斗もそういうサイトに掲載する写真の撮影がある、という話しを以前していたのも覚えている。
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