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『美容院の名前、なんだっけ?ちょっと調べてみるから教えて』
「っえ…いまから調べるの?!ちょっとまだ心の準備がっ、」
『いつ調べても菜々の情緒が不安定なのは一緒でしょ。とりあえず、同じ店に”カナ”って名前のスタッフがいるかどうかだけでも調べよう』
私一人では思いつかなかったが、確かに美雪の言う通り…颯斗の働く美容院のスタッフ紹介のページを見れば何か分かるかもしれない。
そんな活用法があるとは想像もしていなかったので、何だか颯斗にも颯斗の勤め先にも申し訳ないような気がしてくるが、、
利用出来るものは、この際何でも利用したい。
「颯斗の勤め先の美容院の名前は─…」
既にサイトを開いて待機している様子の美雪に颯斗の働いている美容院の名前を告げると、ものの数秒で『見つけたよっ!』と言い出した美雪。
「ど…どうだった…?」
スマホを持つ手に思わず力が入った。
その直後、、美雪がハッと小さく息を飲んだのが電話越しに伝わってきた。
『……ローマ字表記だけど、”KANA”って名前の女性スタッフが…いる。』
なんの確証もないが、その人が”香菜”のような気がして…心が酷くかき乱された。
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