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『……菜々、まだこの人がそうだって決まったわけじゃ無いからね』
珍しく優しい言葉を掛けてくれる美雪の声を聞いていると、泣きそうになってくる。
『それに、菜々の話しを聞く限り…あの例の作戦上手くいったんだよね?結局ワンピースを着て外に行くのはダメだって言われたんでしょ?』
「それは…確かに言われたけど、」
『送られてきたメッセージだって…内容だけ聞くと確かにめちゃくちゃ怪しいよ?浮気者っ!って言ってやっても許されるレベルだと思うけどさ…いまいち吉岡のことを黒だって言い切れないのは、、スマホにロックをかけてないところ。』
美雪にそう言われて…確かに、っと思った。
颯斗のスマホにはロックがかかっていない。それどころかメッセージトークの内容がホーム画面に表示されていた。つまり、アプリのロック機能も利用していないということになる。
『もし仮に…仮にだよ?本当に吉岡が他の女と浮気してて旅行に行く予定を立てたりしてるなら、今まではそうじゃなかったとしても…さすがにスマホにロックをかけると思わない?菜々に見られたらまずいなぁ…って。』
「……スマホ、見てもいいって颯斗に言われた」
『うん…それもあるし。吉岡的には、その香菜って人との連絡を別に菜々に見られても問題ないと思ってるんじゃない?』
まさかここにきて、美雪が颯斗を援護し始めるなんて思わなかったので…少し混乱する。
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