アイラブユーを聞かせて

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仕事が終わったらスーパーに寄って、今日は颯斗の好物ばかりを作って帰りを待つことにしよう。 っと、意気込んだところで…昼休憩終わりのタイムカードを打刻しようとした時、、 「……もしかして綾瀬さん、美容師の彼と上手くいってない感じ?」 同じように外から戻ってきた八雲先生に話しかけられた。 医院の外に出て通話をしていたはずなのだが、どうやら八雲先生に美雪との通話の内容を聞かれてしまったみたいだ。 「そんなこと無いです。ちょっと喧嘩しただけですよ、よくあるんです」 深く話すつもりは無いし、聞かれても答える気は無かった。当たり障りのない内容だけ告げて立ち去ろうとしたのだが、、 「そっか…それは残念だな。僕にもチャンスが到来したのかと思って一瞬、期待しちゃったよ」 っと、何とも無視しずらい内容の話しをされてしまい…つい足を止めてしまう。 「綾瀬さんのこと、初めて見た時から可愛いなってずっと思ってたんだ。もちろん現在進行形で。だから例の彼と別れたら一番に報告してね、約束だよ」 ただ…好意を向けられているだけなら、彼の言葉を受け止めた上で…こちらも真摯に向き合い断りの返事をしたいと思った。 ──…だけど、、 何の許可も、断りもなく…彼はすれ違いざま、私の髪に指を通し撫でるようにして一瞬、頬に指先を滑らせたのだ。 その瞬間…全身に鳥肌がたち、今すぐに帰りたくなったと同時に─…颯斗に会いたくなった。
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