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「……颯斗の分は?…カップ麺、食べるの?」
「いや?大量に作ったから、風呂入った後リビングで…菜々が食ったのと同じ雑炊食べる」
同じものを食べる、そう言ってくれたことが…
とんでもなく嬉しかった。
「…は?何で泣くんだよっ、そんな体調悪い?」
「ううん、違うっ…嬉しかったから、颯斗がご飯作ってくれたことが、ただ嬉しくて、、」
「……ごめん。朝のアレだよな?菜々の都合も聞かずに勝手に予定立てて…悪かった。セミナー行くの辞めたから、今年は一緒に帰省しような」
ふわっ…と、私の髪に触れて優しく指を通して撫でてくれる颯斗の指が…大好き。
「……いいの?ずっと受けたかったセミナーなんだよね?キャンセルして後悔しない?」
「まぁ…またそのうち開催されるだろうし、近場である時に行けばいいから。連休は菜々と過ごす為に使う─…って、それじゃ不満?嫌なら今からでも参加の連絡するけど、、」
「嫌なわけないっ、颯斗と一緒に過ごしたい。お願いどこにも行かないでっ!」
「ん…初めからそう言えよ、バカ菜々」
真相は分からないが、颯斗のお盆休みのセミナー行きは無しになったみたいだ。
それが延期になっただけなのか、本心から私と過ごしたいと思い…考え直してくれたのか、それは不明だが…
一緒に過ごすことを選んでくれた颯斗のことを、もう一度信じたいと、そう思った。
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