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セミナー行きをキャンセルしてくれたことが嬉しくて、すっかり気分が良くなった単純な私は…颯斗がお風呂に入ったタイミングでベッドを出て、リビングへと向かった。
大量に買ったカップ麺が未だダイニングに放置されているのを見て、自分でも呆れながらそれを回収しようとテーブルに近付いた。
そこで見つけてしまった颯斗のスマートフォン。
当然だが、颯斗はお風呂に入っているので今ここにいるのは私しか居ないわけで…見ようと思えば見ることが出来てしまう彼のスマホ。
見てもいい、と言われているし…少し覗くくらい問題ないと自分に言い聞かせて、吸い寄せられるようにソレに手を伸ばして、、
手に触れる直前で、我に返り慌てて手を引っ込めた。
見てもいいとは言われたが、彼の居ない場所で無断で見るのは意味合いが違う気がする。
私を信頼して”見てもいいよ”と言ってくれた颯斗のことを裏切るような気がして…目の前に無造作に置かれている”答え”に触れることが出来ないまま、、
隣で雑に転がっているカップ麺の片付けを開始することにした。
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