アイラブユーを聞かせて

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「あー…中途で入ってきたアシスタントで、まだ働いてそんなに年数は経ってないから…菜々は会ったことないかもな」 「……夜、電話掛けてきてたけど。個人的に颯斗に連絡してきたりするの…?」 「真面目なヤツだから、営業中にミスしたこととか…帰宅してから謝ってきたりするんだよ。その時の電話も多分ソレだろ」 ただの後輩で、仕事の連絡を取りあっているだけだ。っと言っているみたいだが…メッセージの件があるので素直に信じてあげられない自分がいる。 「…てか、いつの話?不安に思うことがあったならその場で俺に聞けば良かっただろ」 聞くも何も…颯斗は”萩花さんからの電話”だと言い張って、私に尋ねる隙を与えてくれなかった。 「まさか…なんか疑ってる?俺は鷺坂のバカとは違う。店のスタッフに手を出したりしない」 ハッキリと、私の目を見てそう言った颯斗。 そのまま夕飯に手をつけて食べ始めてしまったので、とりあえず”カナ”の話は一度中断して…颯斗の様子を伺うことにした。
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