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シルビアが「はい」と返事をすると、顔をしかめたイヴァンの口が動き、シルビアがきょとんとした顔で見つめた。
そして、しばらくすると、
「ふっ……ふふっ」
と、シルビアが声を漏らし、小さく笑った。
すると、それを見ていた聴衆がざわついた。
「悪魔公女が笑ったぞ……!」
「あのシルビア様が?一体何があったんだ?」
「いやいや、それにしても……」
なんと美しい——。
シルビアの笑顔を見た人々は皆、ほうっと満開の花が咲いたような眩しい笑顔に釘付けになった。
ざわめきに気づいたイヴァンが、怒ったように眉を吊り上げる。
「あまりそのような笑顔を皆に見せるな……!」
「なぜです?」
「特別だからだ!」
イヴァンを胸を張ってそう言った。目の前の愛しい男を抱きしめたい気持ちをぐっと堪え、シルビアはじっと見つめ返した。
「それでは誓いのキスを……」
イヴァンがシルビアのベールをそっと持ち上げる。近づく真剣な表情に、なぜか愛おしさが込み上げる。
——最後の日などない。俺は来世もお前と結婚するつもりだ。
うつけ者の堂々たる宣言を思い出したシルビアは、またくすぐったいような気持ちで笑みをこぼした。
fin.
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