2.ステラc

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2.ステラc

「どうして彼らは死んだのだろう。水にはなんの原因も見つけられなかった。野菜は順調に育っているし、僕たちにも異常はない」 「俺たちには見つけられない、微小なウイルスがいたのかもしれない。いずれにしてもここではこれ以上の調査も不可能だ」  リオンの目の下にはくっきりとクマが刻まれている。その顔を見てスバルは悟る。  今日も地球との交信は失敗したのだ、と。  地球から遠く、3100光年離れた恒星、ステラ250。このステラ250は太陽と変わらぬ質量を持ち、また、太陽系同様、ステラ250を中心に公転軌道を歩む惑星が複数存在している。その中でも地球と同等の環境を有する惑星も発見されており、スバルたち、惑星探査チームはそのうちのひとつ、ステラcを調査するため派遣されていた。  が、今、スバルたちがいるのは……目標としていたステラcではない。  到着したのはステラcの衛星、エルラ。 「まさかこんなことになるとはな」  リオンの苦味が沈殿した呟きも、もう何度聞いただろう。
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