聖徳太子は未来人

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 司は自分の発明が評価されないのが不満だった。なぜなら、タイムマシンを作ったのに、周りからは「頭が悪いお前に作れっこない」と否定されたからだ。実際に使えば発明の素晴らしさが分かるはずだが、失敗作だと思っている人が試すわけもない。  そこで、司自身が実験台になって証明すればいいという結論を出した。問題はどの時代に行くかだ。日本は未だに第二次世界大戦の敗北者という位置づけだったので、それを何とかしたいと考えた。しかし、第二次世界大戦の真っただ中に行けば、下手すれば死にかねない。そんなリスクは背負いたくかなった。そこで司は思いついた。平和な時代に行き、根本から世界を変えればいいのだと。  そこで、飛鳥時代がいいに違いないという結論に至った。平和な時代だし、うまくいけば日本が世界の覇権を握るに違いない。飛鳥時代といえば聖徳太子だ。そうだ、聖徳太子になりきって、世界を変えよう。
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