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類稀なる才覚にプライドは存在しません。人に我が至高の域を伝える術はありません。私がまだ足りないと思うならば、その旨をその人に言うしかありません。そして、ダメなら争いが生じます。「ネジ1本足りないくらいでさ?何なんかなーって、やっとかめ掴んだチャンスだて…放てた筈だて…。」稲藤さんは私にそう言います。波動を開け放つことを幾度も望むのです。「ネジ1本の話でしたか。ネジ1本云々でこの猿山を吹き飛ばす気だったのですか!!許しませんよっ!!」たかがネジ1本と言うのも稲藤剛信五の方だ。私は遂に怒りました。剛信五を吹き飛ばすべきとばかりに敏嗣比古さんを見ました。「ひ、比治山下さんっ!!」敏嗣比古さんは掌を上下に開き、波動を稲藤剛信五のやつに御見舞いしてしまったのです。「何か炭か影か…分からんけど、勝ったよな。」敏嗣比古さんは勝利を確信し、稲藤剛信五のやつは跡形も無く消えてしまいました。
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