影山慎二の危機

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影山慎二の危機

 俺が組織から依頼を受けて二日後、漸く降り続ける雨が上がった。それは総会が行われる前日で俺は神に祈りが通じたと思った。  俺は空港近くのビルの屋上で五十嵐が帰国してくるのを待った。双眼鏡で五十嵐が飛行機から降り立つのが確認された。  俺が銃の引き金に指をかけて撃ち殺そうとした時に、俺を飛行場から狙っている奴に気づいた。相手の方が素早かった。俺は殺されるのを覚悟して心の底から震えた。  その時だった。警察のサイレンが鳴り響いて、大勢の警察官が空港内に集まった。  俺は空港内を見渡していると家族を見かけて驚いた。なぜか妻と息子がそこにいた。また見知らぬ女が俺を殺そうとした奴に大きく手を振っていた。何がどうなっているんだ。  俺が双眼鏡で空港を凝視していると、突如、背後から力強く伸びてきた手で銃を抑えられた。瞬く間に、警察に身体を拘束された。
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