ある小説家の苦悩

1/7
前へ
/7ページ
次へ

ある小説家の苦悩

 アリサはデスクの前で唸っていた。原稿提出まで、残り3時間ほど。いいアイデアがまったく浮かばない。アイデアさえ浮かべば問題ない。執筆役のAIに任せればいい。高品質な文章を書いてくれる。 「AIは便利になるのに、なんで執筆用のアイデアを創作できないのか……」と呟く。  アリサは思った。シンギュラリティが起きれば、AIが小説のアイデア出しもしてくれるはずだ。そうすれば、アリサのすることといえば、出版社とのやりとりだけになる。それで原稿料が手に入るのなら、楽なもんだ。いや、まてよ。それでは一般人まで小説家になれてしまう。それはそれで困る。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加