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「うーん、先生にしては……あー、申し上げづらいのですが、文章のキレがないですな。これを出版して欲しいというのは正気ですか? 今後の小説家生命に響きますよ」
「それでいいんです。おそらく読者からは非難のメールばかり来ると思いますが、やりきった感がありますから」
それはアリサの本音だった。
「では、これにて失礼します」
アリサはそう言うと、モニターの電源を切る。これが私の今の「斬新さ」の限界。アリサはふぅと息をすると、デスクを離れる。あとは読者が判定してくれる。おそらく、「斬新ではない」という答えが返ってくるだろうが。
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