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ーー嘘。
ずっと色は気にしていたけど、そっちのケアもしないといけないなんて。
背中を撫でる彼の指先は、そのままわたしのブラのホックを外し、ブラウスのボタンに手をかける。
「あ……やだ……」
「大丈夫だよ。少なくともおれは、線とか色とかが透けてなくてもさやのことエロい目で見られるから」
余計なこと言わなくていい、と反論しようとすると、唇を彼のそれによって塞がれた。
ここのところ、気がつくと本当にれんのことばかり考えている。
でも、彼に好意を寄せているかといえば、そんなことはない。
わたしのくすぶった熱を解放してくれるのが、この男というだけだ。それはきっと、相手も同じ。
眉目秀麗な王子は、こうしてわたしに妖艶な顔を見せる。
みんなとは違う、黒のイメージを。
ほかのひとが知らない一面を知っている優越感に浸って、わたしはまた気持ちが昂った。
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