2日目

2/5
前へ
/17ページ
次へ
もうどこまで来たのだろう。 あとどのくらいの距離かわからない。 あれから何度か滑ってころんだ。  そのたびに雪は心配して駆け寄ってくれたけどもう私は15歳。助けなしに起き上がるくらいはできる。 でも、何か懐かしい感覚を覚える。 お父さんがいつもこんな感じで起こしてくれてたんだっけ? よく覚えてない……。 希薄な記憶は何かを呼び起こそうと奮闘するも、やっぱり閃きのような感覚は訪れない。 そんなことを考えながら歩いていると石碑が目の前に現れた。 「ここに石碑……?」 「……なんて書いてあるか読める?」 「え、えっと……『陽気なる儀式の子。道指し示し石に従え。さすれば空に陽光あらん。』……」 「こっから先に進めばもっと沢山の石碑があるから、そこに手がかりがあるかも……」 「……ちょっと気になるな……よし、進もう」 私は再び歩き出した。 帰りたいという気持ちが興味にすり替わっていく。 目に見えない好奇心を止められるものはいなかった。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加