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「あった!!石碑だよ!!」
2時間かけてようやくたどり着いた次の石碑。
形は岩だ。
「本当だ……これは歴史?」
「読んでみて」
「『我々は器の生成を行い、命を生み出した。だが、命は未完成だった。生命の概念を捻じ曲げた我々は神の怒りを買ってしまった』……」
「前回の内容は確か……禁忌に触れたとかだったよね?」
「禁忌って……命を生み出すってこと?確かに、神様くらいしかできなさそう……それでも神様は怒っちゃったのか……」
「……次、行こう」
私たちはまた歩き出す。
禁忌、命を生み出す……私がこれからする儀式と何か関係があるのだろうか?
ただの歴史で関連性がない可能性もあるけれど……。
思考は碑石の謎に傾いている。
だが、洞窟の雫の音であることを思い出した。
……そういえば、まだ雨は降っているのだろうか?
最近は異常気象なのか分からないが雨続きだ。
私が儀式を成功させて雨を止ませないといけない。
……絶対に、成功させなきゃ。
思考はぐるぐる回る。
「生命に自ら触れようとするなんて……何をしようとしたんだろうね」
突然雪からそんな質問をされる。
「……昔の人の考えることは…理解…不能だな」
「……もしかして眠い?」
「……そ、んなこと………」
「たぶん、明日の昼にはたどり着けるよ。だから、今は休もう」
「……」
睡眠欲求には抗えないらしい。
私の重いまぶたは欲のままに閉じていった。
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