2日目

4/5
前へ
/17ページ
次へ
「あった!!石碑だよ!!」 2時間かけてようやくたどり着いた次の石碑。 形は岩だ。 「本当だ……これは歴史?」 「読んでみて」 「『我々は器の生成を行い、命を生み出した。だが、命は未完成だった。生命の概念を捻じ曲げた我々は神の怒りを買ってしまった』……」 「前回の内容は確か……禁忌に触れたとかだったよね?」 「禁忌って……命を生み出すってこと?確かに、神様くらいしかできなさそう……それでも神様は怒っちゃったのか……」 「……次、行こう」 私たちはまた歩き出す。 禁忌、命を生み出す……私がこれからする儀式と何か関係があるのだろうか? ただの歴史で関連性がない可能性もあるけれど……。 思考は碑石の謎に傾いている。 だが、洞窟の雫の音であることを思い出した。 ……そういえば、まだ雨は降っているのだろうか? 最近は異常気象なのか分からないが雨続きだ。 私が儀式を成功させて雨を止ませないといけない。 ……絶対に、成功させなきゃ。 思考はぐるぐる回る。 「生命に自ら触れようとするなんて……何をしようとしたんだろうね」 突然雪からそんな質問をされる。 「……昔の人の考えることは…理解…不能だな」 「……もしかして眠い?」 「……そ、んなこと………」 「たぶん、明日の昼にはたどり着けるよ。だから、今は休もう」 「……」 睡眠欲求には抗えないらしい。 私の重いまぶたは欲のままに閉じていった。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加