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3日目
「だ…れ……?」
「あ、起きた?」
「へ…?……あ、おはよう」
岩の冷たい感覚。
夢との温度の差が大きく頭は追いつかなくなる。
……そうか、これは現実なんだ。
「おはよ。……歩ける?」
「……うん。歩ける。早く行こう」
「まぁ、そこまで焦らなくても……」
雪の声は届かず出発の準備を始める。
「はぁ、生き急ぎすぎ……まぁいいや」
私は歩みを進めた。
ところが雪は走って私を追い抜いた。
無邪気な笑顔で。
「ねぇ!次の石碑まで競争しよー!」
「え、そんなの雪に勝てないに……」
「よーい、どん!!」
容赦なく勝負は始まる。
雪の姿が見えなくなりそうだ。
「ま、まってよー!!」
私は洞窟を駆け抜ける。
洞窟の歩き方が分かりだしたのか私が転ぶ回数は格段に減った。
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