憑いてきた

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憑いてきた

 カーテンの隙間から漏れる明かりに顔を撫でられ、エルキュールは目を開けた。  目の前には愛しい妻が自分の手を握ったまままだ眠りの中にいた。  今日はしばらく目覚めることはないだろう。    昨夜、抑え続けていた想いの丈をぶつけてしまった。  片手を伸ばして彼女の顔にかかるふわふわの髪をそっと避けた。  愛らしいこの唇を昨日は溶けそうなほど味わった。艶めく声で啼かせ、甘い愛の言葉をたくさんもらったのだ。  彼女はエルキュールに初めて開く体に恥じらいよりも、触れることの悦びを素直に感じてくれた。    首筋に赤い花弁を見つけた。  それは上掛けをめくれば、もっといろんなところについているだろう。  唇での愛撫にも随分悦んでくれたようで、特に胸の頂きの淡い蕾を口に含んだ時の反応は随分と愛らしかった。  足の間にある神秘の泉はシーツを濡らしてしまうほど溢れ、最初は小さな芽を数回撫でただけで達してしまった。  甲高い声と震える体、そして両腕で精一杯自分にしがみつく姿はかなり淫らで愛しい。  舌でも愛撫をしたくて足を押し広げれば、それではキスが出来ないと可愛く拗ねられてしまった。  舌は彼女の舌と絡めることにして、そのまま柔い肉の間を指でまさぐり続ければすぐにまた達してしまう感度の良さ。  そしていよいよ初めて自分を受け入れる蜜道を執拗にほぐしていたら、彼女は何度も軽く達した上に、「エルクが欲しいの」とねだられてしまった。  そこからもうタガが外れてしまった気がする。  小さな彼女の体に自分のものを押し挿れれば裂いてしまうようで心配したが、入念にほぐしたことと無限に湧き出る泉のおかげで受け入れてもらうことが出来た。  後はもう、彼女が気絶したように眠るまで、腰を振り続けていた気がする。  特に最奥に到達した時の短い嬌声と締め付けがたまらない。何度彼女の中で果てただろうか。    ああ、昨夜を思い出していたらまた欲しくなってきた。  クローディア、君は魂も体も全部素晴らしい。  どちらの相性も俺には最高にぴったりだ。  君もそうであればいいのだが。  朝の生理現象から性欲に代わって来たところで、彼はクローディアの絡める手をそっと外し、額にキスを落とした。  そして静かにベッドを抜け出る。  シーツには二度目(・・・)の処女の証があったが、そこはリーユにどうにか誤魔化してもらおう。
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