雨上がりの日常

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 パークゴルフというスポーツをご存じだろうか。  ゲートボールと双璧をなす日本の二大シニアスポーツだ。  発祥の地である北海道ではどの市町村の老人会でもパークゴルフクラブが設立され、パークゴルフ場が整備されているとかいないとか。  あたしの住む地方にも漏れなくパークゴルフ場がある。  いつもシニアでいっぱいだ。  そのパークゴルフ場の受付案内のアルバイトをしているあたしにとって梅雨とは僥倖。  いるだけでアルバイト代が入って来るゴールデンシーズンだから。  しかし、それももう終わり。  昨日の夜、梅雨明け宣言が出たのだ。  次の日、開場時間の30分前にパークゴルフ場に到着したあたしは驚愕する。  そこにはシニアの皆さまの列が出来上がっていた。 「お! ねぇちゃんおはよう! ちょっと早いけど開けてくれないかな?」日本のシニア層は元気である。  はい、いいですよ。とあたしは返事する。開場は10時です、なんて野暮なことは言わない。  少し早いが開場する。するとアイドルのコンサート会場さながら、受付にシニアたちが殺到。とはいいつつも順番を守って並び、それぞれにグループを形成している。  しかし、まぁなんというか。昔の人はいいことわざを残したものだ。 「雨降ってじじい(地)固まる」と。  この言葉がぴったりとくる光景だった。  太陽とそれを反射する何かが眩しい。今年も暑くなりそうだ。
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