いつのまにかアーサー王になっていました

1/7
前へ
/14ページ
次へ

いつのまにかアーサー王になっていました

 俺は分厚い本を閉じた。タイトルは『ブリタニア列王史』。何周目か分からない。読むといっても、ある物語だけだ。それは「アーサー王伝説」の箇所のみ。俺の部屋は彼のグッズで溢れている。  アーサー王伝説のいいところは、歴史とは違ってあいまいな部分が多いからだ。そこにこそ、妄想の余地がある。そして、彼はほぼ無敵だから、爽快感がある。まあ、後半に妻の不倫などのどす黒くドロドロなトラブルがあるが。それによって人間味を増すという点ではありかもしれない。最後にアヴァロンに旅立ち、いつか復活するという設定も面白い。ああ、アーサー王に会ってみたいな。無理な願いなのは分かっている。あくまで伝説なのだから。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加