いつのまにかアーサー王になっていました

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「フレッド、朝食の時間ですよ!」  やばい、読書に夢中になりすぎて、大学へ行くことを忘れかけていた。今から朝食じゃあ、一限目の授業には出られないな。まあ、気にする必要はない。一限目は哲学の授業。西洋史の授業に間に合えば、それで十分。俺は朝食をかき込むと家を後にする。「授業中に読書はダメよ」というお母さんの言葉を忠告を聞き流しながら。 ◆◇◆ 「よお、フレッド。一限目をすっぽかすのが当たり前になってきたな」  肩を軽く叩きながら、友人が冗談を言う。大学生一年目にしてサボり魔なのは、自覚がある。それが良くないことも。 「そういうものだと諦めてくれ。そうだ、哲学の授業のノート貸してくれよ。もうすぐ小テストだろ?」 「おいおい、自分ですっぽかして、人頼みかよ……。じゃあ、逆に西洋史は俺にノートを貸してくれ。フレッドの得意分野だろう?」  俺は首を縦に振る。これで交渉成立だ。友人同士で助け合う、なんと素晴らしいことだろうか。まあ、お互いに授業をまともに受けていないのが悪いのだが。 「おい、次の教室行こうぜ! フレッドの好きな西洋史の授業だぞ」  そう、二限目は西洋史。だが、段々と時代が現代に近づくにつれて、面白みがなくなっていく。伝説や武勇伝ではなく、史実そのものを扱うから。夢やロマンがない。別にためにならないとは思わないが。
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