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「…?」
戸惑う優太の耳に、昨日の日曜日、風花と知沙と訪れた家の近所の神社を出る時と同じような微かな音が聞こえた。
口笛…ではない、葉と葉が擦れ合うような音だ。
優太は音のした方向、社の方を見た。
「うわっ!!」
優太は咄嗟に鳥居の方へ後退った。
スス、ピー、スス、ピー
不可思議な音を立てながら、
何やら丸くて黒い物体が社の方から優太の方へ向かって来るではないか。
「なんだ、あれ?!」
バスケットボールを少し大きくしたほどの大きさだ。
地面を転がって来るのではなく、それは空中にふわりと浮いており、浮いたまま人魂のように優太のいる方へゆっくりと向かってくる。
優太は一気に体中の汗が凍ったような気がした。
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