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あの日から土日を挟んで三日が経ち、学祭まであと四日となった。
結局、私はあの日、大山くんを見送った後も教室の方には行かなかった。大山くんはあの日のことを誰かに話すこともはなく、私も誰にも話さなかった。
だから、私と桃香の関係は変わることなく、私の居場所は変わらない。
結局、あの日の決意は桃香を前にするとひよってしまって、私の本音は桃香に伝えられていない。
弱いなぁ。だからダメなんだよ私は……
毎日、自己嫌悪だ。
桃香は出し物の係で、K-POPのダンスをするらしく、空き時間を見つけては、その振付を練習していた。スラリと手足が長く、スタイルがいいからカッコいい。みんなと踊っていても目を引く存在だ。
大山くんや他の男子たちも、練習している姿を眺めたり、曲に合わせてノリノリで楽しそうに自分たちの作業をしている。
模擬店は駄菓子屋をするので、私はその広告ポスター作りの担当。
担当が一緒の子とポスターをデコレーションしていると、大山くんが現れて「おぉ、すっげ」と感嘆の声を出す。
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