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布団に横になってお経を聞いているうちに、いつしか僕は眠っていた。
しかし……
キシッ、キシッ、キシッ
板張りの廊下の板が軋む音が聞こえてきて、僕は目を覚ました。
先程迄聞こえていたお経をあげる声が聞こえてこない。
あれ、墨村さんかな?と思って身体を起こそうとして、自分の身体が金縛りにあって、全く動けないことに気付いた。
キシッ、キシッ、キシッ
以前として、板を踏み締めて、何かが近付いてくる音が聞こえる。
僕は目だけを動かして、何とか障子扉の方を見た。
すると、そこには、市松人形の影が黒々と映し出されていた。
!!
僕は恐怖で叫び声をあげそうになった。
しかし、金縛りの為「うう……」と呻くのが精一杯だった。
キシッ、キシッ、キシッ
人形が近付いてくるに連れて、障子に映る影が次第に大きくなる。
そして、障子扉がスーッと開き、黒い髪の人形が部屋の中へ入って来た。
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