4話 ラムエと神(シラセ)との出会い

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5065dfc1-a2a5-4aa5-bc05-342c56a351c6空が黄金に輝き、神そっくりの生き物が飛び立ってから、ラムエはずっとこの様子を見つめ続けた。 神そっくりの生き物は言葉を発することなく、さらに目を光らせ、土器のようなもので覆われた右腕を、ラムエを追ってきた神官に向けた。 神官に狙いを定め、右腕の土器のようなモノを発射させた。 一瞬にして神官は吹き飛んだかと思ったが、姿そのものが消え、空も黄金から青空へ戻った。 ラムエは、神の力を目の当たりにしたのだ。 しかし、ラムエは、目の前で見た光景が、神による怒りの裁きのひとつだという事を知らない。 ラムエは、何が起こったのか理解できず、ただただ、空を呆然と見上げていた。 すると、ラムエの足を誰かがつっついた。 「わぁっ!!…え?…さっきの…えぇ?」 自分の足の方を見ると、そこには、また神そっくりの生き物がいた。 「追ってから逃れられたようで良かったですね」 「ほ…本当?」 恐る恐る街の様子を見ると、人々は少しずつ、顔を上げ、元に戻っていった。 「なんか、分からないけど…神官もいなくなってる」 神そっくりの生き物は、薄っすらと穏やかそうな表情をして、ラムエに声をかける。 「わたし、土偶に見えますか?そして、右腕につけているものは、土器に見えますか?」 ラムエは、地面に座って、神そっくりの生き物とお喋りをはじめた。 「うん。なんか、そう見えたから神官にそのまま話したの。そしたら怒られちゃって、追いかけられたの」 「んふふふふ…(笑)なかなか、ユニークなお考えの持ち主のようですね」 神そっくりの生き物は、体を曲げて笑いながら、楽しそうにしている。
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