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「やっと、決めたんですね」  里美に言われ、私は強くうなづいた。 「うん、さすがね……。不倫相手に、こんな大ケガを負わされて、許せるほど寛大にはなれなかったの」 「そんなの当たり前じゃないですか! 打ちどころが悪ければ、障害が残ったり、命を落としていたかもしれなかったんですよ!」 「……本当に骨折だけで済んだのは、運が良かったのかもって思う。落ちた時は、さすがに死を覚悟したから」  私の言葉に、里美と三崎君は顔を曇らせる。 「美緒さん……」 「あ、変な空気にしっちゃって、ごめんね。でも、見ての通り回復しているから大丈夫」  カラ元気かもしれないが、私は笑顔を二人に向けた。 「そうですよ。悪縁は早く断ち切らなくちゃ!」  里美が小さくガッツポーズをして、私を励ましてくれる。 「うん、弁護士さんも探しているし、三崎君のおかげで新居も借りれたし、少しづつ前に進めているの」  早々に弁護士さんに相談をして、果歩の罪を白日の(もと)に晒したい。 「美緒さん、応援しているよ」  三崎君の優しいダークブラウンの瞳が私を見つめる。 「ありがとう。三崎君」  すると、横から里美の声が飛び込んできた。 「わたしだって、最大限の応援します!だから、なんでも言ってくださいね」    
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