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「美緒……。抱いていい?」
普段はこんな事、口にはしない。
その場の流れとか、雰囲気とかで先に進んでいる。
でも今は、美緒の事を宝物のように大事にしたいという思いがあって、美緒の嫌がることはしたくなかった。
「うん、でも、ここじゃなくて、ベッドに行きたい」
少し恥ずかしそうにしながらそれでも受け入れてくれた事が嬉しくて、美緒の額にキスを一つ落としす。
「美緒、好きだよ」
美緒の背中を支えもう片方の手を膝下に入れて抱き上げると、美緒が俺の首に腕を回した。
視線が絡むとそれだけで嬉しくて、美緒を支える腕に自然と力が入る。
ベッドの上に下ろし、美緒の頬を両手で包み、気持ちが伝わる事を祈りながら、唇を重ねるだけの長く優しいキスをした。
プレゼントのリボンをそっと解くように、美緒のルームウェアを脱がした。
そして、ベッドの上に横たえ、唇から耳元へそして首筋へと、唇でなぞるとクスクスと美緒が笑いながら「自分ばかり裸にされてズルい」と、可愛いことを言う。俺も着ている物を脱いでベッドに戻ると美緒が両手を差し伸べた。
もう、それだけで幸せ過ぎて涙が出そうだ。
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