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Side 美緒  私が手を伸ばすと健治が今にも泣きそうな顔で笑うから、その顔が切なく見えて心が締め付けられた。  健治から、愛されているんだと感じた。   「健治……」 「美緒、ごめんな、ありがとう」  健治の低い声が耳元で聞こえて、抱きしめられた私は、何の隔たりの無い2人の間の熱を感じる。  こんなに愛してくれるなら、もう一度だけ、健治を信じてみようと思った。  私の輪郭を縁取るようにそっと優しく撫でられて、普段とは違う愛撫で背中にゾクゾクと電気が走る。  もどかしくなるぐらい、ゆっくりと動く手が丹念に私を溶かし始めた。  焦らすのではなく、私を確認するように健治の手が私に触れる。  愛おしげに、たくさんのキスの雨を全身に降らされて、甘く蕩けてしまう。  口に含まれた胸の果実も舌先で転がされるばかりで、はしたなくも、もっと強い刺激が欲しくなってしまうほどだった。  甘く蕩けた私は、熱い息を吐き出しながら潤んだ瞳で健治をねだると、嬉しそうに健治が微笑む。  健治の指先が、私の薄い繁みをかき分け、敏感になっている花芯を撫でると  自分でも恥ずかしいぐらいに濡れているのがわかった。   「健治、来て」  自分から健治をねだると、また、泣きそうな顔で笑う。  健治のモノが、ゆっくりと私の中に入って来る。  私は、今まで感じた事もない充足感に包まれ、全身が痺れる程の快感に打ち震えた。   「んっ、あぁぁ……」  やがて、私の一番深いところに辿り着くと、それだけで気持ちが良くって、 自分の意思とは裏腹に中が収縮し、自分の中に納まった健治の形を感じながら達してしまう。  この行為は、Sexではなく、Make love なのだと思った。
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