295人が本棚に入れています
本棚に追加
18
Side 美緒
お昼休み、爽やかな風が吹く中を私と里美は、Café des Arcs に向かった。
ランチタイム、カフェ店員さんの人気も手伝って、近所の主婦やOL達で賑わってる。
「いらっしゃいませ」
「こんにちは。今日もイケメン拝みに来ました」
里美の言葉に和成君は、ニッコリと笑い軽くウインクをする。
あまりの慣れた様子、手の届くアイドルみたいだ。
「ありがとうございます。では、特等席にご案内いたします」
いつものやり取りに私はクスクスと笑ってしまった。
和成君の案内で、既に定位置となりつつある一番奥の窓際の席に案内をされ、今日のランチ明太子とイカのパスタを注文する。
「先輩、和成君は相変わらず可愛いですね」
里美が声を潜めて私に言う。
「うん。アイドルみたいで、眼福」
と返すと里美は頷き、クスクス笑っている。
窓の外は、明るい日差しが降り注ぎ、初夏を思わせる陽気だ。
「里美、あのね……土曜日なんだけど」
と、言い掛けたところで「お話中のところ、すいません」と声を掛けられた。
視線を移すと申し訳なさそうな表情の和成君だ。その横に三崎君が立っている。
「いつもの相席をお願いしても良いですか?」
「はい、どうぞ」
「悪いね。お邪魔します」
三崎君が私たちのテーブルの空いている席に腰を下ろした。
最初のコメントを投稿しよう!