18

1/2
前へ
/159ページ
次へ

18

 Side 美緒  お昼休み、爽やかな風が吹く中を私と里美は、Café des Arcs (カフェ デ ザーク)に向かった。  ランチタイム、カフェ店員さんの人気も手伝って、近所の主婦やOL達で賑わってる。   「いらっしゃいませ」 「こんにちは。今日もイケメン拝みに来ました」  里美の言葉に和成君は、ニッコリと笑い軽くウインクをする。  あまりの慣れた様子、手の届くアイドルみたいだ。 「ありがとうございます。では、特等席にご案内いたします」  いつものやり取りに私はクスクスと笑ってしまった。  和成君の案内で、既に定位置となりつつある一番奥の窓際の席に案内をされ、今日のランチ明太子とイカのパスタを注文する。 「先輩、和成君は相変わらず可愛いですね」  里美が声を潜めて私に言う。 「うん。アイドルみたいで、眼福」  と返すと里美は頷き、クスクス笑っている。  窓の外は、明るい日差しが降り注ぎ、初夏を思わせる陽気だ。   「里美、あのね……土曜日なんだけど」  と、言い掛けたところで「お話中のところ、すいません」と声を掛けられた。  視線を移すと申し訳なさそうな表情の和成君だ。その横に三崎君が立っている。 「いつもの相席をお願いしても良いですか?」   「はい、どうぞ」 「悪いね。お邪魔します」  三崎君が私たちのテーブルの空いている席に腰を下ろした。          
/159ページ

最初のコメントを投稿しよう!

295人が本棚に入れています
本棚に追加