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 健治の噓つき。  私の事をずっと裏切っていたなんて、許せない。  それも元カノとだなんて、最悪だ。  それなのに、この先どうしていいのか、わからなくて、頭の中が混乱している。  昨日、元カノとホテルから出て来たのを見たと言えばいいの?  でも、その先は?  謝られたなら、許すの?  それとも、許さないの?  健治と別れるの?  そんな直ぐになんて答えが出ない。 だから、気持ちの整理が付くまで、このまま黙っている方がいい。  意気地のない自分にため息をつきながら、健治の分の朝食をテーブルに並べ「ごはん出来たよ」と声を掛けた。  テーブルについた健治は、並べられた朝食を見て不思議そうな顔をしている。 「あれ? 一人分? 美緒は、食べないの?」 「うん、後で食べる。お風呂入るね」  とてもじゃないけど、顔をつき合わせ、素知らぬふりで、朝食を食べる気になんてなれない。  逃げるようにリビングを出て、バスルームに向かった。  
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