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*  萎えた俺のモノを野々宮はためらいもなく口に含んだ。  口腔内の温かな粘膜に包まれ、舌先から与えられる刺激に抗えず、だんだんと固くなっていくのが、自分でもわかった。  そして、俺の敏感な部分に野々宮の舌先が絡みつき、ピチャピチャと淫猥な音を立て、耳からも煽られいく。 「やめろ……よ」  吐く息は甘さを含み、俺の思考は酩酊する。  受け身のSEXは、自分でも予想のつかない刺激を与えられ、攻めの時とは違うベクトルに入る。   「ふふっ、気持ちいいでしょう。大きくなってる」  以前、使い物にならないと言って、野々宮を遠ざけた事を忘れていないのだろう。  立ち上がった俺のモノを見て、野々宮は満足げに微笑み、小さな包みを開ける。  そして、中から取り出したiR(コンドーム)を慣れた手つきで被せた。  心は嫌がっていても、外から与えられる刺激に抗えない。  弱い自分に嫌気がさす。 「健治は、動かなくていいわ。私が上で動いてあげる」  野々宮はベッドに膝立ちになり、俺の上にまたがった。   この女の誘惑に負け、関係を持ったあの日から、既に取り返しのつかない事になっていたのだと、今更ながらつくづく思う。  何故、野々宮が俺に執着するのか理解できないが、緑原総合病院の取引まで持ち出して、俺を囲い込もうとしている。   「なあ、なんで俺なんだよ……」  その問いかけに、野々宮は赤い唇の口角を上げた。 「ふふっ、身体の相性かしら?」  そう言って、楽しそうに笑い野々宮は、俺のモノを自分にあてがい、ゆっくりと腰を動かし始めた。  俺は野々宮にだんだんと飲み込まれて行く様を、抵抗も出来ずに受け入れるだけだった。  
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