5

6/11
前へ
/152ページ
次へ
「ん? 美緒は一番大切な、俺の奥さんだよ」  そう言って、健治は私の顎をクイッと持ち上げ、唇にキスを落とす。直ぐには離してくれずに唇を舐め上げ、薄く開いた私の唇の合間に健治の舌が入り込んでくる。逃れようと身じろぎをしても空いてる方の手で抱きしめ拘束されてしまう。  顎を抑えられたまま、動けない。受け入れる事しか出来なくなり、クチュクチュとリップ音が鳴り響く。  やがて、息もままならない状態で、甘やかな刺激を加えられているうちに、理性とは別の生き物が私の中で目を覚ます。  理性は”やめて”と叫んでいても、本能は別の意思を持って、体の奥底に熱い火を灯し始めた。  口の中の上顎を舐められて、甘い息が漏れる。健治に慣らされた体は、いとも容易く熱くなる。  舌を絡められ、根元を刺激され、誘惑に抗えない。  少し強引な激しい口づけに翻弄されて、私の理性は降伏の烽火(のろし)を上げた。 「ん……んっ……ぁ」    健治のキスで蕩けていく。  ルームウェアの隙間に健治の手が滑り込む。仕事から帰って来てブラも外してしまっていて、今の私は防御力ゼロ。おまけに蕩けて自分の体を支えることもおぼつかない。 「美緒……いいだろう?」  
/152ページ

最初のコメントを投稿しよう!

258人が本棚に入れています
本棚に追加