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 弱った獲物は、肉食獣に食べられるだけ。  下着ごと脱がされ、流し台に体を預けている。自分が料理されて食べられてしまうような。錯覚にも似た感覚が余計に本能を煽りたてる。 「こんな……ところで……」 「そんなことを言って、美緒も感じている……」  見透かしたように私を捕えて、太ももを撫で上げ、足の間に手を伸ばされるとクチャと音が聞こえた。 「な?」 「や……いじわる……」    恥ずかしがる私の反応を健治は楽しんでいる。 「美緒が可愛いから意地悪したくなるんだよ」  そう言って、腰の辺りをサワサワと撫でつけ、上着をたくし上げる。剝き出しされた胸へ健治が唇を寄せて来る。 「健治……」  抵抗ともいえない声を上げると、胸の先端に息が掛かり、口に含まれた。  健治の口腔内の熱が、ダイレクトに伝わって来る。  舌先で転がされたり、甘噛みされたり、たまらなく気持ちいい。  内ももにも柔らな刺激は与えられ続けている。やがて、健治の指先が茂みの奥の割れ目に手が忍び込み、その刺激が私の中の熱を煽りたてた。 「あっ、ぁ、」  本当は話をしたいのに、結局は健治の思い通りに翻弄されて、甘い声を上げているダメな自分。  聞きたいことが、たくさんあるのに実際には口に出来なくて、健治の思い通りにされてしまう。
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