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 キッチンでこんなこと……。  流し台に縋るような状態で、後ろから健治の熱いモノが私の中に徐々に入り込んでくる。  健治は息を詰めながら、ゆっくりと私の中を満たし始めた。  浅い注挿を繰り返し、ゆらゆらと揺らしながら、探るように内側を埋め始めた。粘り気のある水音が私を煽り立て、口からは甘い吐息が漏れ出す。   「ん……ぅん」    やがて、最奥まで健治で埋め尽くされた。  指で追い詰められ、今にもイキそうなところで止められていた私の身体は、自分の中に健治を感じて、満たされている。    こんな場所で、ただの雄と雌に成り下がり、獣のような恰好で貪り合う。  結婚して、愛で満たされていると思っていた頃の、甘く全身が痺れるような愛の営みとは、ほど遠い姿。  今は、愛で満たされるのではなく、欲で満たされているのだと思った。 「美緒、気持ちいい?」 「ん……」    強引に顎を持たれて、唇を奪われる。  唇を塞がれて、口の中も健治の舌で蹂躙されて、いっぱいになった唾液が口の端から漏れ、捕食されているような感覚に溺れる。  大きな手が私の胸のふくらみを揉みしだき、先端をキュッと摘まんだ。  ピリッと痛みが走り、身体が跳ねる。   「あっっ」 「ふふっ、気持ちイイんだ」    脳からアドレナリンが分泌されて、興奮状態の今は、痛みさえも甘い刺激に変えられてしまう。 「もっと……やさし……くして……」  
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