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明るい窓際の席に案内され、今日のオススメ・菜の花とベーコンのクリームパスタを注文して、何の気なしに窓の外へ視線を移した。
マンションの提供敷地に植えられた木々や草花が風に揺れ、その間の小径を親子連れが手を繋ぎ楽しそうに歩いているのが見える。
幸せそうな親子の姿が、とても眩しい。
いつか子供を持ちたいとは思っている。
けれど、今の状況で妊娠出産は、リスクが大きすぎて……怖い。
信頼できるパートナーがいて、妊娠出産を望むのは、特別なことではないはずだ。
ポカポカとした陽気に、鮮やかな新緑が揺れている。
すると、その視界の奥に見覚えのある人物を見つけた。
「あっ、里美、あの人ね。今度、隣の医院に入った三崎先生だよ」
「えっ、新しい先生って、あの人なんですか? 若い!イケメン!」
「私と高校の同級生だったの。昨日、院長に紹介されて、びっくりしちゃった」
「ふーん、先輩のアオハルですか?」
里美は意味深に目を細め、唇を尖らせた。
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