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 三崎君は、軽く咳払いをした。   「胸の音もキレイですね。喉も腫れていません。今日は、鉄剤とビタミン剤を処方しておきます。次回、検査結果でお薬が変わる場合がありますが、処方箋をだしますね」    と、お医者さんとしての対応をしている。    自分ばっかり、色んな意味で恥ずかしい感じがする。   「ありがとうございました」    廊下に出るとさっきまで冷たくなっていた顔が今は火照っている感じがする。頬に手を当てるとやっぱり熱い。  デモ、デモ、ただの内科の先生じゃないんだよ。同級生だよ。  いろいろ恥ずかしいのは仕方がないことだよね。  私、変じゃないよね。  胸に手を当てると、まだ心臓がドキドキしている。深呼吸をしてから受付に行って、お会計をし、処方箋を受け取ると急いで店舗に戻った。  
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